マーベラス(7844)2021年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
・2021年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(マーベラス:PDF)
・2021年3月期 第2四半期 決算説明資料(マーベラス:PDF)
・2021年3月期 第2四半期 決算説明動画(マーベラス:PDF)
・2021年3月期 第2四半期 決算説明動画 説明概要(マーベラス:PDF)
・FACTBOOK(2021年3月期 第2四半期)(マーベラス:PDF)
■全社:減収増益。
アミューズメント・音楽映像は新型コロナウィルスの影響で収益悪化、オンライン・コンシューマゲームがカバー。
通期予想をレンジ形式で初開示。前期並み・以上の収益は確保できそうな感じ。期末配当未定。
■オンライン:増収増益。
『一騎当千エクストラバースト』は、ゲーム内環境の安定化を優先し、現時点では計画を下回る推移。
■コンシューマ:減収増益。
ゲームソフト新作なしも、『牧場物語』リメイク海外Steam版好調、リピート好調。
アミューズメントは新型コロナウイルスの影響を受けるも、『ポケモンメザスタ』は『ポケモンガオーレ』の初動超え。
■音楽映像:減収減益。
1Qからの黒字が大きいものの、2Q[7月~9月]も黒字。ステージは7月より順次再開。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』パッケージ好調スタート。
<連結経営成績>(累計)
売上高 | % | 営業利益 | % | 経常利益 | % | 四半期純利益 | % | |
H30 Q4 | 25,291 | △13.9 | 5,147 | △10.6 | 5,105 | △12.1 | 3,513 | △15.6 |
2019 Q1 | 6,296 | +30.6 | 650 | △8.2 | 699 | △1.6 | 440 | △16.7 |
2019 Q2 | 13,314 | +20.9 | 2,767 | +56.8 | 2,870 | +60.9 | 1,941 | +57.0 |
2019 Q3 | 20,193 | +16.1 | 4,210 | +42.1 | 4,285 | +43.3 | 2,842 | +40.4 |
2019 Q4 | 26,777 | +5.9 | 4,706 | △8.6 | 4,791 | △6.2 | 3,351 | △4.6 |
2020 Q1 | 4,518 | △28.2 | 662 | +1.8 | 618 | △11.6 | 343 | △22.0 |
2020 Q2 | 10,836 | △18.6 | 1,264 | △54.3 | 1,247 | △56.5 | 743 | △61.7 |
2020 Q3 | 18,546 | △8.2 | 2,111 | △49.9 | 2,135 | △50.2 | 1,336 | △53.0 |
2020 Q4 | 25,365 | △5.3 | 2,449 | △48.0 | 2,502 | △47.8 | 1,797 | △46.4 |
2021 Q1 | 4,668 | +3.3 | 890 | +34.4 | 891 | +44.1 | 593 | +72.8 |
2021 Q2 | 9,419 | △13.1 | 1,699 | +34.4 | 1,678 | +34.5 | 1,160 | +56.0 |
2021 Q4 | 21,000 ~ 23,400 | △17.2 ~ △7.7 | 2,450 ~ 3,000 | 0.0 ~ 22.5 | 2,450 ~ 3,000 | 0.1 ~ 19.9 | 1,800 ~ 2,100 | 0.1 ~ 16.8 |
単位:「百万円」、△はマイナス、%は前年同期との比較、各Qのリンクは各決算へのリンク(Air-be blog内)
画像Ver.
各セグメントの数字は決算説明資料+Fact Sheetに乗ってる数字が分かりやすいかなということで
こちらを載せてみます。クリックで拡大します。
決算説明資料から 各事業 2021年3月期の取り組み(抜粋)
<オンライン事業>
■2Q
・1Qに引き続き堅調推移で、前期における不採算タイトルの整理等から、前期比増収増益
・ 『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』や『剣と魔法のログレスいにしえの女神』等、既存タイトルは堅調維持
・ 5月配信開始の『一騎当千エクストラバースト』は計画を下回る推移
・『Fate/EXTELLA』、『Fate/EXTELLA LINK』をiOS・Android用ゲームアプリとして7月配信開始
■3Q以降
・ 既存タイトルは引き続き安定運営に努め売上確保を図る
・『一騎当千エクストラバースト』は年末に向けてプロモーションを強化
・新作ゲームアプリ『千銃士:Rhodoknight』の事前登録を開始(正式サービス開始日は未定)
<コンシューマ事業>
■2Q
・ゲームソフトのリピート販売、『牧場物語 再会のミネラルタウン』海外版・PC版の好調により利益増
・一方で、新型コロナウイルスの影響を受けたアミューズメントの売上が減少し、セグメントでは前期比減収増益
・『牧場物語 再会のミネラルタウン』の北米・欧州版、Windows PC (Steam)版を海外子会社より7月発売、好調セールス
・新筐体『ポケモンメザスタ』を9月17日稼動開始、前作『ポケモンガオーレ』の初動を上回る好調なスタート
(といってもガオーレの最初はあまり人がいなかった気もするけれども)
■3Q以降
・和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』を11月発売予定(国内・アジア・北米・欧州:11月)
・シリーズ初のNintendo Switch向け完全新作『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』発売決定
(日本・アジア:2021年2月、北米・欧州2021年3月)
・年内発売を予定していた『ルーンファクトリー5』はクオリティアップを図るため来年5月へ発売延期
(年内予定→2021年5月20日予定)
・新筐体『ポケモンメザスタ』の運営に注力、『ポケモンガオーレ』は中国展開決定(この冬よりとのこと)
<音楽映像事業>
■2Q
・ 新型コロナウイルスの影響で中止が続いていたステージ公演は、政府・地方自治体の方針や、全国公立文化施設協会のガイドライン等に従った上で、7月より一部公演を再開
・1Qにおいて前期公演の一部タイトルの収益計上や、パッケージ商品発売等があり、一定収益は確保
■3Q以降
・音楽映像部門においては、TVアニメ『アクダマドライブ』を10月8日より放送開始、3月公開より延期していた『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』を10月31日公開
・ステージ部門の新しい取り組みとなる、オリジナルコメディ作品のドラマ『ハンサムセンキョ』を10月7日より放送開始
・「PERSONA5 the Stage」の新作を10月公演実施、11月以降も新作・シリーズ作品等複数公演を準備
<Air-be blog特別コラム:テンセント20%出資の影響力>
「マーベラスが中国企業の傘下になった!」とか「マーベラスがテンセントの子会社になった!」
みたいな書き込みやTweetを見かけることがありますが、どちらも誤りです。
20%出資でテンセントの関連企業会社となり、
テンセントの連結決算にマーベラスの損益が出資比率分加算されるようにはなりますが、
逆にそれくらいではないでしょうか?
取締役も一人テンセントから派遣されていますが、それでマーベラスを支配できるわけではありません。
・マーベラスがテンセントから出資を受け入れる時の有価証券届出書(EDINET:金融庁:PDF)
テンセントの出資時の流れは、以下の通りです。
・Tencent Holdings Limited 完全子会社 の Image Frame Investment (HK) Limited と資本業務提携
・当社の主要株主である株式会社アミューズキャピタル及び中山隼雄氏(個人)により当社株式の売出しを行う
↓
・Image Frame Investment に1株576円で8,623,300株を割り当て(本第三者割当増資後の発行済株式総数に対する割合 13.86%)
・アミューズキャピタル及び中山隼雄氏の賛同も得て、その保有普通株式 3,543,100 株を本売出しにより Image Frame Investment に譲渡
=49億円の出資で、マーベラスの20%の筆頭株主へ
こんな感じで pic.twitter.com/kkmacvNdCD
— believe × (@airbe) May 25, 2020
5【第三者割当後の大株主の状況】をみると
Tencent Holdings Limited 完全子会社 の Image Frame Investmentが
20%の議決権で単独筆頭株主ではありますが、
中山隼雄氏=アミューズメントキャピタル(元セガ社長、パソナ元会長、AQインタラクティブ創業)
中山晴喜氏=アミューズキャピタルインベストメント(マーベラス創業・元会長/社長、隼雄氏の息子)
の中山一族の数字を足すと14.98+9.04+6.35+3.02=33.39%の議決権があるんですよね。
議決権が33.3%超というのは経営上重要で、33.3%超あると株主総会での特別決議を拒否できるので、
抑止力になっているわけです。
→ 会社法下の保有割合と株主の権利等(大和総研:PDF)
→ 今更聞けない財務用語シリーズ(27)『出資比率』(住商アビーム自動車総合研究所)
議決権の割合によって会社にどういう影響があるのかは上記を参考にしていただければ。
100%、66.6%、50.1%、33.3%あたりがキモでしょうか。
チャイナリスクは日を追うごとに脅威になりつつありますが、
時系列を整理すると出資は時間の問題だったのかなと思います。
・役員紹介(マーベラス)
現社長の許田さんは2018年5月から Tencent Japan合同会社 特別顧問(現任) 。
↓
・『牧場物語』モバイルゲーム展開に関するライセンス契約をテンセントゲームスと締結(マーベラス)
2019年3月にテンセントとは「牧場物語」ですでに関係があり、
マーベラスはモバイルの「牧場物語」ではIPの使用許可と素材の提供にとどまります。
テンセント側の取得理由としては、
・グローバル展開可能な新規 IP の創出及び育成
・日本の独特な文化の理解と中国市場における事業展開
と記載がありますので、今後日本市場を狙っていく際に出資して、マーベラスなどで勉強しますということでしょうか。
テンセントマネーで他社IPゲームを作るわけですから、関係強化はしておきたいよねというのは理解できます。
(他社が出資してIP元を取っていきめんどくなる形もあり得るわけで)
Q.マーベラスはテンセントから出資を受けないといけないほど、お金に困っているの?
A.マーベラス自体の業績はどうか?となると
ソーシャルゲームのヒット作に恵まれず、利益は右肩下がりではありますが、
現在のマーベラスの形(合併後)になってからずっと黒字かつ現金も100億以上あります。
たとえ今期赤字(規模にもよりますが)でもびくともしません。大手と比べちゃうとそりゃ雲泥の差ですけども。
Q.テンセントから調達した資金は何に使うの?
A. テンセントとの資本提携時の資料に新規IP創出及び新規事業展開に39億0700万円、
既存IPのグローバル展開に10億円使う
と書いてあります。
「新規 IP の創出にはコンシューマゲームコンテンツの新規開発が最も有効な手段の一つと考え、
次世代型家庭用ゲーム機とともにマルチプラットフォーム対応の次世代ゲームを制作し、
さらに世界展開を狙えるだけのハイエンド機向け新規タイトルの企画・開発に取り組むことといたしました」
などと書いてあります。
また株主総会(マーベラス:PDF)で、「テンセントの資本提携で制作の制約はあるの?」と聞きましたが、
・新しいIPを作っていく
・特段の制約は今のところない
・ゲーム以外ではマーベラス側から提案し、テンセントが合意すれば行うことができる
・(マーベラスが)IPを作っていくことについてはゲームが一番作りやすいのでゲームからスタート
ということでした。
出資されたお金の範囲では、テンセント側からと何かこれを作っていうわけではなくて、
お金渡すからマーベラス側で考えて新しいIP作ってよという感じに感じました。
もちろん出資したお金以外では、マーベラスがゲーム以外のコンテンツを作ることは可能です。
9月には本日の一部報道について(マーベラス:PDF)というリリースも出して、
中国向けのゲームを開発するという報道にも、明確に否定のリリースを出しています。
中国向けは基本的にはテンセントグループが作ればよいわけです。
※このコラムは2020年10月30日現在の情報をもとに書かれています。
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