第11期半期報告書 株式会社ゴンゾ
・2009/12/28 第11期半期報告書[PDFファイル:342KB](ゴンゾ:PDF)
平成21年4月1日~平成21年9月30日までの決算が発表になっていました。
(△は損失を表わします)
・第11期中間(平成21年4月1日~平成21年9月30日)
売上高:12億6288万円、経常利益:△2億0703万円、中間純利益:8285万円、従業員数66名
・参考:第9期(平成19年4月1日~平成20年3月31日)
売上高:68億5356万円、経常利益:△34億9262万円、中間純利益:△37億5282万円、従業員数174名
・参考:第10期(平成20年4月1日~平成20年3月31日)
売上高:63億3239万円、経常利益:△23億5140万円、中間純利益:△34億0109万円、従業員数95名
まだ中間決算の段階ですが、久しぶりに純利益を確保。(といってもカラクリがあるんですけど)
関連会社が1社増えてまして(こんな状況でも株式を取得するんだなぁ)
株式会社INdiGO(平成21年10月21日にデジタル・ハイブリッドから商号変更)の株式を33.0%取得。
主に、コンテンツのライセンス事業の強化を目的として株式を取得したそうです。
会社のホームページとかちょっと調べたところない感じなんですがどんな会社なんでしょう。
6ページには事業の状況が書かれていて
>(1) 業績
> 当社グループは、ファン向けアニメーションを中心に事業を行っており、テレビ向けを中心としたアニ
> メーションの企画・制作及びライセンス等を営んでおります。
> 企画・制作事業では、「シャングリ・ラ」、「咲-Saki-」及び「アラド戦記∼スラップアップパー
> ティ∼」といったテレビ向けアニメ作品の制作を中心に業務を行いました。
> ライセンス事業では、「ロザリオとヴァンパイアCAPU2」、「ドルアーガの塔∼the Aegis of URUK
> ∼」、「鉄のラインバレル」、「咲-Saki-」、「シャングリ・ラ」及び「アラド戦記∼スラップアップ
> パーティ∼」を中心とした、アニメ作品のビデオグラム化・海外番組販売などの版権収入や印税収入を
> 計上いたしました。
> アニメーション業界におきましては、ブロードバンドへの需要シフト等に伴いDVD市場の低迷及び
> 北米市況の冷え込み等により厳しさを増しております中、当社グループは、アニメーション事業の原点回
> 帰を目指した事業体制のリストラクチャリングの推進に努めてまいりました結果、当中間連結会計期間
> の売上高は1,262百万円、経常損失は207百万円、中間純利益は82百万円となりました。
第11期の半期に関係する作品の一覧が載っています。
相変わらず債務超過状態なので資金繰りには苦しいようですが、
9ページを見ると
>③ 資本増強の推進
> 当社グループの財務基盤を強化し、経営安定性の確保ならびに事業再構築のための長期運転資金とする
> 予定で資金調達を進めてまいりました。その結果、当中間連結会計期間において新規に400百万円の長期借
> 入を実施し、また借入金の一部について、339百万円の債務免除を受けております。しかしながら、事業再構
> 築のための資金調達は依然として必要不可欠であると判断しており、引き続き資本増強を実現するべく推
> 進しております。さらに、契約条件を変更すべく金融機関と交渉中であり、主要金融機関からの合意を得ら
> れる見通しにあります。
ということで4億円の長期借入を実施できて、借入金の一部について3億3900万円の債務免除も受けられたみたいです。
今までの借りているお金についても契約条件を変更すべく金融機関と交渉中であり、
主要金融機関からの合意を得られる見通しなのだそう。まだゴンゾは生きられそうです。
11ページから12ページにかけては財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が書かれていて
>その結果、当中間連結会計期間の売上高は1,262百万円、営業損失は152百万円、経常損失は207百万円、
> 中間純利益は82百万円となり、前連結会計年度に引き続き営業損失および経常損失を計上しているもの
> の、上記のリストラクチャリングが順調に進んだことに加え、当中間連結会計期間にテレビ放映した一部
> の作品について当初予想を大幅に上回るDVD売上等のライツ収益を獲得したこと、及び、全社一丸と
> なった営業体制の強化により映像制作受注ならびに当社が保有する過去作品のライセンス販売が予想を
> 上回る結果となったこと等の理由により、平成21年6月3日発表の前期決算短信において発表しており
> ます当期の第2四半期連結累計期間の予想数値と比較して、営業利益で102百万円の増加、経常利益で76
> 百万円の増加となっております。なお、借入金の一部について、債務免除を受けたことにより、債務免除益
> として339百万円を特別利益として計上しております。
>当中間連結会計期間にテレビ放映した一部の作品について当初予想を大幅に上回るDVD売上等のライツ収益を獲得したこと
ゴンゾで当たりといえば「咲-Saki-」くらいしか思い当たらないのでたぶん「咲-saki-」かなと。池田ぁ!
>当社が保有する過去作品のライセンス販売が予想を上回る結果となったこと等の理由
これについては微妙なところですが、ロザリオとヴァンパイアCAPU2か鉄のラインバレルあたりかなぁ。もっと昔の作品かも。
>なお、借入金の一部について、債務免除を受けたことにより、
>債務免除益として339百万円を特別利益として計上しております。
これが中間純利益計上のカラクリで債務免除してもらって3億3900万円の特別利益を計上。
中間純利益は8285万円なので本業では2億5000万円近くの赤字ということになります。
こうやった特別利益は毎回発生するものではないのでこの状態では企業として存続できません。
22ページには大株主の状況が書かれていて
株主構成に大きな変化はなくいわかぜ一号投資事業有限責任組合が80%以上の株式保有したままになっています。
・ゴンゾからいわかぜキャピタル逃げ出す?(Air-be blog:2009/12/04)
というのは完全に誤りということになります。本当に申し訳ないです。
50ページを見ると
※ 4 返済期日を経過した借入金として18億2400万円の借入期日が経過していて、
平成21年4月以降、借入に対して年率14%の遅延損害金が発生している状態。
前会計年度末は26億7500万円が同じような状態でしたが、多少減ってきてる模様。
51ページを見ると
ゴンゾロッソ株の買い取り請求は未だ続いている感じです・・・。
ゴンゾが中小企業サービス機構へ株式を売却→その株式をアトラスが取得してゴンゾロッソを子会社化
ゴンゾロッソの社長だった後藤文明氏(前ゴンゾCFO=財務最高責任者)が今はアトラスの取締役としてご活躍中です・・・。
・株式会社ゴンゾロッソの株式取得(子会社化)に関するお知らせ(アトラス:PDF:2009/10/29)
64ページを見ると
連結子会社のGK Entertainmentの譲渡を行ったみたいです。9月30日以降発生なので重要な後発事象扱い。
→GK Entertainment(Wikipedia)
ゴンゾが設立したの韓国のアニメ制作会社ですかね。ちょっとWikipediaの情報は古いですが
クレジットにGK Entertainmentの名前はよく見かけたかと。
萌え寺を手がけたりなんとか生き残ろうとしているGONZOの今後の運命はいかに。
多少なりともアニメを作る力はまだ残っているみたいなので(メインは無理ですけど)頑張っていただきたく。
技術はいいものを持っていると思うので。
<関連URL>
・GONZO Web Official Site(GONZO)
・ゴンゾ Investor Relations|トップ(GONZO)
IRトップページ。
<関係ありそうな・・・>
・::: 株式会社アトラス :::(アトラス)
・GONZO ROSSO(ゴンゾロッソ)
もうGONZOとは関係ないんだけどGONZOの名前がついたまま。
・INDEX Corporation(インデックス)
本文中には出てこないのですが、ゴンゾロッソとアトラスと中小企業サービス機構をつなぐのはこの会社。
ジャッジメントですのっ!
<過去記事>
・ゴンゾからいわかぜキャピタル逃げ出す?(Air-be blog:2009/12/04)
・平成21年3月期 決算短信 ゴンゾ(旧GDH)(3755)(Air-be blog:2009/06/03)
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GONZOが多少なりとも潤いそうな作品群。
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